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ダックスとバーバリーのチェックってどうして似ている?

イギリスを代表する老舗ブランドとして知られるバーバリー(Burberry)とダックス(Daks)。
その象徴ともいえるチェック柄を見比べてみると、どことなく似ていると感じたことはありませんか?

どちらも上品でクラシックな雰囲気を持ち、イギリスらしい伝統を感じさせるデザインですが、なぜこの二つのブランドのチェック柄がこんなにも似通っているのでしょうか。
偶然の一致なのでしょうか、それともそこには何か深い理由が隠されているのでしょうか?

目次

バーバリーとダックスのチェック柄の違いは?

バーバリーとダックスは、どちらも英国を代表する歴史あるブランドです。そして、チェック柄の話題に触れる際、アクアスキュータム(Aquascutum)も欠かせない存在です。

チェック柄の違い、種類とは?

これらのチェック柄は似ていると指摘されることがあり、確かに色味が似ているため、「元々は同じブランドだったのでは?」や「どこかが真似をしたのでは?」と感じることもあるかもしれません。

しかし、それぞれ独自のタイミングでデザインが発表され、名称や歴史があります。各ブランドのチェックパターンは、それぞれのアイデンティティの核を成す要素であり、豊かな伝統や品質へのこだわりを反映しています。

バーバリー「バーバリーチェック(Burberry Check)」


バーバリーチェックは正式には「ヘイマーケットチェック(Haymarket Check)」と呼ばれ、1920年代に発表されました。

当初はトレンチコートの裏地として使用されていましたが、現在ではブランドを象徴するデザインとなっています。白地またはキャメルの背景に黒、白、赤のラインが交差する独特のチェック柄です。

ダックス「ハウスチェック(House Check)」


ダックスのチェック柄は1976年に導入されました。比較的最近のデザインでありながら、ブランドの定番シンボルとなりました。

白地またはベージュの背景にキャメル、黒、赤が組み合わされたチェック柄はクラシックかつエレガントな印象を与えます。

アクアスキュータム「クラブチェック(Club Check)」


アクアスキュータムのクラブチェック(Club Check)は1970年代に登場しました。ネイビー、キャメル、白の絡み合うラインが特徴で、トレンチコートの裏地として多く使用され、シンプルながら洗練されたデザインとなっています。

老舗ブランド「バーバリー」「ダックス」「アクアスキュータム」

バーバリー、ダックス、アクアスキュータムの3ブランドはいずれも英国を代表する老舗ブランドです。

バーバリー は、1856年にトーマス・バーバリーが設立しました。アウトドアウェアを中心に展開し、防水生地「ギャバジン(Gabardine)」の発明でレインウェアに革命をもたらしました。

ダックス は1894年にシメオン・シンプソンが創業、高品質な仕立てと革新的なズボンの製造で評価を得ています。

アクアスキュータムは、1851年にジョン・エマリーがロンドンで設立しました。防水生地の革新で知られ、軍用のトレンチコートや民間向けの高品質なアウターウェアでその名を広めています。

ロイヤルワラント(王室御用達)を保持するブランド

これらのブランドはすべて英国王室からロイヤルワラントを授与されています。ロイヤルワラントは、英国王室に5年以上商品やサービスを提供した企業や個人に与えられる認定マークで、高品質の証とされています。

  • バーバリーは、アパレルメーカーとしてロイヤルワラントを取得しています。
  • ダックスは、1956年にエディンバラ公、1962年にエリザベス女王、1982年にチャールズ皇太子から、それぞれ3つのロイヤルワラントを授与されています。
  • アクアスキュータムは、1897年にエドワード7世から最初のロイヤルワラントを取得しました。

チェック柄が類似しているのはどうして?

ダックス、バーバリー、アクアスキュータムのチェック柄は、いずれも伝統的な英国ファッションスタイルに由来しているため、共通する美的感覚を持っているように見えます。これらのブランドは高品質でクラシックな服を長年にわたり生産してきた歴史があり、そのチェック柄は豊かな英国の伝統を象徴する重要な要素であると言えると思います。

チェック柄はスコットランドのタータンに由来している?

これらのブランドのチェック柄は、スコットランドの伝統的なタータン柄からインスピレーションを得ていると考えられます。しかし、それらはタータン柄を直接的に取り入れたわけではなく、各ブランドが独自の解釈やアイデンティティを反映して生み出したデザインであり、それぞれのブランドの歴史や価値観が投影されているということですね。

伝統的なタータンの柄には意味がありますから、当然ですね。

タータンチェックとバーバリーチェックの違い

伝統的なタータンとは、複数の色を用いた格子柄(チェック柄)の織物で、スコットランド発祥のデザインです。タータンはスコットランドの氏族や家族と深く結びついており、象徴的な存在として知られています。

昔のスコットランドでは、戦場で自分のクラン(氏族)と敵のクランを識別するため、それぞれ独自のタータン模様で作られた衣類を着用していました。この習慣は、日本でいう「家紋」に近い文化的役割を果たしていたといえます。

タータンには何千種類もの異なる模様が存在し、それぞれ独自のデザインと長い歴史があります。たとえば、イギリスのチャールズ皇太子は、公の場でタータン柄のキルト(スコットランドの伝統的なスカートで、正装として用いられる)を着用することがあり、タータンがいかにスコットランド文化の中で重要な地位を占めているかがうかがえます。
(これは、スコットランドの血統と王室とスコットランドとの長年のつながりを象徴するため、伝統を尊重し、スコットランドとその人々への敬意を示すため、と言われています)

地域によって異なりますが、現在でもスコットランドではフォーマルな場でその家柄のタータンを身に着けることが正装とされています。

タータンのデザインは何千種類もあるため、チェック柄をデザインする際に似たような模様になるのは自然なことといえるでしょう。

伝統的なタータンの例

ロイヤルスチュワート(Royal Stewart)
(ロイヤルスチュワートのタータンはスコットランド王室に由来する柄であり、全スコットランド人が属する象徴的なタータンとして認識されています。そのため、特定の氏族(クラン)に属していない人がフォーマルな場などでタータンを着用したい場合、ロイヤルスチュワート(Royal Stewart)のタータンを選ぶことが一般的)
デイヴィッドソン家(Davidson)
キャンベル(Campbell)家
マクリード(MacLeod)家

ダイアナ妃のメモリアルタータン

また、ダイアナ妃を追悼するメモリアルとして、妃をイメージした優しいピンクとブルーのタータンが、スコットランドの老舗タータンメーカー「ロッキャロン(公式サイト:http://www.lochcarron.co.uk)」によってデザインされました。このタータンは日本でも一時期話題となり、多くの関心を集めました。

バーバリーと似たブランドはある?

バーバリー、ダックス、アクアスキュータム以外にも、デザインにチェック柄を取り入れた英国ブランドは他にもあります。以下は一例です:

  • バブアー(Barbour): クラシックなワックス加工のジャケットで知られるバブアーは、アウターウェアにチェック柄の裏地をよく取り入れています。
  • ポール・スミス(Paul Smith): チェック柄を取り入れ、トラッドな中に鮮やかで風変わりなデザインで有名です。
  • ハリスツイード(Harris Tweed): チェック柄を特徴とする高品質のウール生地で有名なスコットランドのブランドです。ハリスツイードは、1993年のハリスツイード法(Harris Tweed Act)によって保護されており、この地域で純粋に生産された生地だけがハリスツイードと呼ばれることが保証されています。
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