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イギリス王室御用達?英国ロイヤルワラントの意味って?

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テレビや雑誌などでイギリスのブランドが紹介されるときに、「英国王室御用達」や「英国ロイヤルワラント」という言葉も一緒に聞いたことがありませんか?

「英国ロイヤルワラント」とは、「この商品(またはサービス)は、『王室の御用達』として認められています」という証明のことを指します。

例えば、「この傘はエリザベス女王が実際に使っている」ということが公的に認められているということです。メーカー側は「御用達」として認定されることで、その商品に「英国ロイヤルワラント」の紋章を印刷したり、店舗に掲げたりすることができます。

ロイヤルワラントを授与される、または維持するためには、定められた期間に一定に品質水準を満たし続けなければなりません。そのため、ロイヤルワラントを持つということは、一定の水準をクリアしているという証にもなります。

「王室御用達の商品やサービス」と聞くと、なにやら「高級感」があったり「特別な」なものというイメージがあるかもしれません。

でも、実は、近所のスーパーで買えるような商品にも、ロイヤルワラントに認定されているものが数多くあります。そのため、イギリスでは格式ばったものではなく、身近に感じられる存在でもあるようです。

では、商品やサービスはどのようにして英国王室の御用達に認定されるのでしょうか?
また、どのようなブランドが御用達なのでしょうか?

目次

英国ロイヤルワラントの意味と紋章(Crest)

現在、英国王室では、チャールズ国王、カミラ女王、ウィリアム王子の3名が「英国ロイヤルワラント」を授与する権限を持っています(2025年現在)。

チャールズ国王がワラントを授与した場合、その企業はチャールズ国王の紋章を掲げることができます。カミラ女王の場合は、彼女の紋章ということになります。

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左:チャールズ3世国王(イングランド、ウェールズ、北アイルランド、そしてコモンウェルス諸国での授与)
中央:チャールズ3世国王(スコットランドでの授与)
右:カミラ王妃(2024年以降の授与)

ウィリアム王子は2025年からロイヤルワラントを授与する予定とのことで、その際にはウィリアム王子の紋章も使われることになるでしょう。

ロイヤルワラントを授与されると、その企業は認定した王室メンバーの紋章を商品に表示することができます。

例えばこんな感じです。
(家の中にあるものを探してみました笑)

(画像左)左:マーマイト(Marmite)、右:スクワッシュ(Robinson’s Squash)
(ユニリーバ社のマーマイトとロビンソンは、2024年12月をもってワラント終了とのこと)

(写真右)左:トワイニング(Twinings)、中央:タバスコ(Tabasco)、右:HPソース(HP Sauce)

ロイヤルワラントを授与されることは、王室からその品質が認められたことを意味し、その結果として売り上げに大きな影響を与えることが多いようです。

珍しい例としては、過去にフィリップ王、エリザベス女王、チャールズ皇太子の3人からロイヤルワラントを授与されたブランドもあります。この場合、3つの紋章を製品に印刷することになります。

また、50年以上にわたりワラントを保持している伝統あるブランドも存在します。

ロイヤルワラントの認定はどのようにされる?

ロイヤルワラントに認定されるためには、どのような手順を踏むのでしょうか?

  • イギリス王室からの依頼を受けて認定される
  • ブランドが自ら申請し、認定を受ける

大きく分けてこの2つの方法があります。

ただし、申請する前に一定期間、王室に商品を提供したり、サービスを行ったりする必要があります。もちろん、王室が使わないようなものは認められません。ブランドは何を提供しているかについて口外してはいけないルールもあるそうです。

その後、ロイヤル・ワラント・ホルダーズ・アソシエーションに申請し、王室の審査に通過すれば認定が決まります。細かいことですが、銀行や証券会社、弁護士といった専門的なサービスや、新聞や雑誌などのメディアはロイヤルワラントを申請することができません。

認定されても、5年ごとに再審査が行われます。もし商品やサービスの質が基準に合わなくなると、認定は取り消されてしまいます。そのため、ブランドは常に品質を維持する必要があります。
また、王室がその商品やサービスを使わなくなった場合にも、認定は解除されることになります。

ロイヤルワラント認定企業の例

ロイヤルワラントが授与されるカテゴリーは多岐にわたります。

車や食品・飲料、衣料・アクセサリー、住宅・家庭用品に加え、農業や動物福祉、アンティーク・芸術・保存、建設・維持管理、ビジネス・テクノロジー、ケータリングなども含まれます。

王室ならではの儀式やメダル・徽章関係、宝石商や金細工師、時計職人、健康・美容関係(例えばヘアドレッサーなど)、さらには清掃製品・サービス、、ガーデニングサービス、印刷業、文房具、書店、音響や照明、音楽の分野などもあります。

車関係

アストン・マーティン (Aston Martin Lagonda Limited)
アウディ (A Division of Volkswagen Group UK Ltd)
ベントレー (Bentley Motors Limited)
ジャガー (Jaguar Land Rover Limited)
ロールス・ロイス (Rolls-Royce)
ランド・ローバー (Land Rover)、など。

さすが高級車が多いですね。

アパレル関係

コーギ (Corgi Hosiery Ltd)
クロケット・アンド・ジョーンズ (Crockett and Jones Ltd)
ダックス (DAKS Simpson Ltd)
デンツ (Dents)
G・エッティンガー (G. Ettinger Ltd)
ギーブス・アンド・ホークス (Gieves & Hawkes Ltd)
ヘンリー・プール (Henry Poole & Co. (Savile Row) Ltd)
J・バーブアー・アンド・サンズ (J. Barbour & Sons Ltd)
ジェームズ・ロック・アンド・カンパニー (James Lock & Co Ltd)
ジョン・ロブ (John Lobb)
ジョン・スメドリー (John Smedley Ltd)
キンロック・アンダーソン (Kinloch Anderson Ltd)
ナイツ・テーラーリング (Knights Tailoring Limited)
ラモント・スポラン (Lamont Sporrans Ltd)
ローク・ブラザーズ (Loake Bros. Ltd)
R・E・トリッカー (R.E. Tricker Ltd)
ターンブル・アンド・アッサー (Turnbull & Asser Ltd)、など。

高級ブランドや、老舗の仕立てブランドが多いです。
チャールズ国王がたびたびキルト姿で公式に登場する関係で、その際に身に着けるスポラン(小さいバッグ)の会社もあります。

化粧品関係

フローリス (J. Floris Ltd)
モルトン・ブラウン (Molton Brown Limited T/A Molton Brown)
ペンハリガン (Penhaligon’s Ltd)、など。

食品関係

バカルディ (Bacardi)
ベンディック (Bendicks)
フォートナム・アンド・メイソン (Fortnum & Mason)
H.J. ハインツ (H.J. Heinz)
H.R. ヒギンズ (H.R. Higgins)
ジェームズ・バクスター・アンド・サン (James Baxter & Son)
ジョン・ウォーカー・アンド・サンズ (John Walker & Sons)
ケロッグ (Kellogg)
ネスレ (Nestlé)
トワイニング (R. Twining & Company)
ジョーダンズ・アンド・ライヴィータ (The Jordans & Ryvita)
ピムズ (Pimm’s)
ウェイトローズ (Waitrose)
ウォーカーズ・ショートブレッド (Walkers Shortbread)
ウィータビックス (Weetabix)、など。

朝食のシリアルブランド、紅茶、老舗のワイン店、マティーニやジン、チョコレート、ショートブレッドのようなブランド、スーパーマーケットなどがあります。

おわりに

以前は、ロイヤルワラントを保持していた企業やブランドはおおよそ800社以上ありましたが、現在ではその数は約300社程度に減少しています。これには、ロイヤルワラントの認定基準が厳しくなったことや、一部の企業は、王室との関係を続けないことを決定する(ワラントを維持することにあまり価値を見いださなくなった)といった理由があるそうです。

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